空飛ぶクルマ”eVTOL イーブイトール(電動垂直離着陸機)が世界初の海上横断

ドローン業界(DJI)やEV業界(BYD)で世界をリードする中国だが、“空飛ぶクルマ”eVTOL(電動垂直離着陸機)の産業においても中国は業界をリードしつつある。

eVTOL(電動垂直離着陸機)は、Electric Vertical Takeoff and Landingの略称で、電動の垂直離着陸機を指し、従来のヘリコプターのように、垂直に離着陸することができるだけでなく、電動の推進機構を使用して飛行することが特徴で、騒音レベルも従来のヘリコプターの10分の1以下で飛行する。更に環境に優しい為、環境保護、低運用・維持コストという利点を備えている。このように環境にも優しく低騒音レベルの航空機だからこそ、将来的には多くの航空機が同時に飛行できるようになり、空のスケールが大きくなるのである。

現在未開発の低高度の航空飛行領域は今後の経済や商業運航において、非常に重要な開発領域であり将来的に航空旅行の重要なモードとなる為、新たな広範な市場を形成することが想定されている。

電動垂直離着陸機は別名「エアタクシー」と呼ばれ、ヘリコプターのように垂直に離陸し、空中で固定翼飛行モードに変換し、純粋な電力を使用する。運航コストはヘリコプターよりも低く、自動操縦機能が強化されているため、パイロットの必要条件も比較的高くない。

電動垂直離着陸機(eVTOL)「ShengShiLong」は上海豊飛航空技術有限公司が独自に開発したもので、離陸重量2000キログラム、定員5人、巡航速度最高時速200キロメートル、コアモジュールの100%国産化を実現している。

今回、電動垂直離着陸機(eVTOL)「ShengShiLong」が広東省深圳市の蛇口客船ターミナルを離陸し、約20分の飛行の後、珠海市の九州港ターミナルに着陸した。

これは、eVTOL電動垂直離着陸機による世界初の海上横断、都市横断飛行である。同機は耐空証明を取得後、2026年に有人飛行を開始する予定だ。この航空機は「エアタクシー」とも言えるもので、この飛行の成功により、深圳から珠海までの片道3時間の地上移動が20分に短縮されることになる。

eVTOLは、都市間の空中移動や空港間のシャトルサービスなど、都市部や交通量が密集した地域での利便性が高いと考えられており、将来の空中交通システムの一部として期待されており、この新しいタイプの航空機は航空産業の歴史に革命をもたらすものだとし、2023年12月、中央経済工作会議が「バイオ製造、商業宇宙飛行、低高度経済など数多くの戦略的新興産業を創出し、初めて低高度経済が戦略的新興産業となった。それ故に、低高度経済は大きなチャンスとなっている。

低高度経済の潜在力は大きく、今後10年間は低高度経済が中国経済成長の新たなエンジンになる事が予測される。深圳を代表とするその周辺の地方政府は、低高度経済の発展と生態の創造を支援する政策を集中的に導入し、低高度経済発展を進めており、同時に低高度空域管理改革を推進し続け、ルールとメカニズムを改善し、少しずつに障害をクリアしながら前進している。

中国のeVTOL産業の規模は2030年に500億人民元に達すると予測されており、eVTOLがドローンのように大量生産され、各種法規や航空管理、航行、通信インフラが整備されれば、その応用シーンは大幅に拡大し、観光、救急救助、物流などのシナリオから、都市間通勤や都市航空交通のシナリオへと徐々に拡大すると予想される。

今後の成長過程を予測すれば、5年から10年かけて、規制システムを含むシステム全体とエコシステムが成熟し、次の段階に入る。近い未来スマートフォンのアプリを開いてタップすれば、電動垂直離着陸機が遠くから飛んできて、あなたをピックアップし、目的地まで自動的に連れて行ってくれる日は近いだろう。

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