超円安の中で海外売り上げ比率が非常に高く外貨収益が多い日本企業 35社

2024年6月の現時点で超円安が進んでいる中で、多くの日本製造業企業が売上の大部分を海外市場から得ていることが確認できます。今回はその中でも特に注目すべき35社をリストアップしてみました。 特に、自動車業界や電子機器業界では、海外売上比率が70%以上に達している企業が多く、例えば、トヨタ自動車やソニー、日産自動車は、海外売上比率が70%から80%に達しています。これは、国内市場の成熟や少子高齢化による需要減少に対して、成長市場である海外への依存が増していることを示しています。

生産拠点についても、アメリカ、中国、ヨーロッパ、アジア全域に分散している傾向が強まっています。例えば、ホンダやデンソーはアメリカ、中国、ヨーロッパに主要な生産拠点を持ち、多国籍な生産体制を整えています。これは、各地域の需要に応じた生産体制を築くことで、輸送コストの削減や市場への迅速な対応を可能にしています。

インド、タイ、インドネシアなどの新興市場が、主要な生産拠点として浮上しています。スズキやいすゞなどの自動車メーカーは、インドや東南アジア諸国に生産拠点を構え、現地市場向けの生産を強化しています。これらの地域は、経済成長が著しく、自動車需要が高まっているため、重要な市場となっています。

自動車業界と電子機器業界は、特に海外売上比率が高い傾向にあります。一方で、化学業界や重工業も海外市場に依存しているものの、比較的低い売上比率であることが見受けられます。これは、製品の性質や市場の成熟度によるものと考えられます。

売上だけでなく、利益率の面でもトヨタ自動車やソニー、ブリヂストンなどが高い利益を上げていることが分かります。これらの企業は、コスト効率の高い生産体制やブランド力を背景に、安定した収益を確保しています。

日本製造業は、国内市場の成熟に伴い、海外市場への依存度が高まっています。多国籍な生産体制と新興市場の開拓が、今後の成長の鍵となるでしょう。さらに、利益率の高い企業は、効率的な生産体制と強力なブランド力を活かし、グローバル市場での競争力を維持しています。

企業名 売上 (億ドル) 利益 (億ドル) 海外売上比率

主な生産拠点

トヨタ自動車 2817.5 281.5 70% アメリカ、中国、タイ、ヨーロッパ
ホンダ 1301.6 72.4 60% アメリカ、中国、インド、ヨーロッパ
ソニー 899.0 79.9 70% アメリカ、ヨーロッパ、中国
日産自動車 898.1 27.1 80% アメリカ、中国、メキシコ、イギリス
JXTGホールディングス 711.5 21.4 60% アメリカ、ヨーロッパ、アジア
日立製作所 484.7 45.0 60% アメリカ、ヨーロッパ
スズキ 355.0 31.6 70% インド、パキスタン、タイ、インドネシア
パナソニック 313.9 31.7 50% アジア、アメリカ
デンソー 304.4 31.6 60% アメリカ、ヨーロッパ、アジア
キヤノン 300.4 28.6 60% アメリカ、ヨーロッパ、中国
ブリヂストン 295.8 35.9 80% アメリカ、ヨーロッパ、アジア
ダイキン工業 299.6 27.4 70% アメリカ、ヨーロッパ、中国
コマツ 268.2 21.5 70% アメリカ、中国、ヨーロッパ
スバル 268.2 14.2 70% アメリカ、ヨーロッパ
富士通 263.1 16.2 50% アメリカ、ヨーロッパ
三菱電機 257.5 15.9 60% アメリカ、ヨーロッパ、中国
旭化成 193.5 15.0 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
三菱重工業 204.5 11.0 50% アメリカ、ヨーロッパ、アジア
シャープ 202.5 9.8 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
ヤマハ 135.0 7.5 70% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
住友電気工業 285.8 6. 7 50% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
住友化学 176.5 12.5 60% アメリカ、中国、ヨーロッパ
東レ 167.5 10.5 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
日本電産 162.9 13.5 70% アメリカ、中国、ヨーロッパ
三菱マテリアル 149.5 9.5 50% アメリカ、中国、ヨーロッパ
大日本印刷 149.5 9.5 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
花王 138.5 11.0 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
日東電工 136.5 12.5 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
資生堂 109.5 7.5 70% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
ダイセル 123.5 8.5 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
神戸製鋼所 186.5 8.5 50% アメリカ、中国、ヨーロッパ
いすゞ 239.2 22.8 70% タイ、インドネシア、フィリピン、アメリカ
スズキ 355.0 31.6 70% インド、パキスタン、タイ、インドネシア
ファーストリテイリング (ユニクロ) 215.0 23.0 55% 中国、ベトナム、バングラデシュ
凸版印刷 123.5 8.5 60% 中国、アメリカ、ヨーロッパ
オリンパス 157.5 10.5 80% アメリカ、ヨーロッパ

日本製造業のトレンドとして以下の点が挙げられます。まず、海外市場への依存度が高まっていることが明確です。これは国内市場の成熟と少子高齢化による需要減少を背景にしており、各企業は成長市場である海外への進出を強化しています。次に、生産拠点の多様化が進んでおり、アメリカ、中国、ヨーロッパ、アジア全域にわたって分散しています。これにより、各地域の需要に応じた柔軟な生産体制を築くことで、輸送コストの削減や市場への迅速な対応を可能にしています。

さらに、インド、タイ、インドネシアなどの新興市場が重要な生産拠点となっており、特に自動車メーカーが現地市場向けの生産を強化しています。これらの地域は経済成長が著しく、今後も需要が拡大することが予想されます。また、業界別に見ると、自動車業界と電子機器業界は特に海外売上比率が高い一方で、化学業界や重工業も着実に海外市場でのシェアを拡大しています。これは製品の性質や市場の成熟度によるものと考えられます。

最後に、利益率の高い企業は効率的な生産体制と強力なブランド力を活かし、グローバル市場での競争力を維持しています。特にトヨタ自動車やソニー、ブリヂストンなどが高い利益を上げていることが分かります。

企業名主力販売製品海外シェア
トヨタ自動車自動車(特にハイブリッド車やSUV)グローバル市場で約10%
ホンダ自動車(特にセダン、SUV)、二輪車自動車市場で約5%、二輪車市場で約30%
ソニー家電製品(特にテレビ、カメラ)、ゲーム機ゲーム機市場で約60%、高性能カメラ市場で約40%
日産自動車自動車(特に電気自動車「リーフ」、SUV)世界自動車市場で約6%、電気自動車市場で人気
JXTGホールディングスインフラ設備(特に鉄道システム、エレベーター)鉄道システム市場で強力なシェア、エレベーター市場で高シェア
日立製作所インフラ設備(特に鉄道システム、エレベーター)鉄道システム市場で強力なシェア、エレベーター市場で高シェア
スズキ小型車、二輪車インド市場で約50%、小型車市場で強力
パナソニック家電製品、エネルギー関連製品(バッテリー)家電市場で高シェア、エネルギー関連製品で重要なポジション
デンソー自動車部品(特に電子制御装置、エアコン)自動車部品市場で約15%
キヤノンカメラ、プリンター高性能カメラ市場で約45%、プリンター市場で高シェア
ブリヂストンタイヤ世界タイヤ市場で約15%
ダイキン工業空調機器世界空調機器市場で約20%
コマツ建設機械世界建設機械市場で約10%
スバル自動車(特にSUV、クロスオーバー車)アメリカ市場で強力なシェア、販売の約70%が海外
富士通ITサービス、コンピュータシステムITサービス市場で約5%
三菱電機電子機器、重電機器エレベーター市場で高シェア、産業用電子機器で強力
旭化成化学製品、繊維製品化学製品市場で約10%
三菱重工業航空機、重機航空機市場で高シェア
シャープ家電製品(特にテレビ、冷蔵庫)家電市場で約5%
ヤマハ音楽機器、二輪車音楽機器市場で約40%、二輪車市場で強力
住友電気工業電線、自動車部品電線市場で約10%
住友化学化学製品、農薬化学製品市場で約8%
東レ繊維製品、化学製品繊維市場で約10%
日本電産モーター、電子部品モーター市場で約15%
三菱マテリアル金属製品、化学製品金属製品市場で約5%
大日本印刷印刷物、電子部品印刷市場で約10%
花王化粧品、日用品化粧品市場で約10%
日東電工接着剤、電子部品接着剤市場で約15%
資生堂化粧品化粧品市場で約12%
ダイセル化学製品(セルロース、合成樹脂)化学製品市場で約5%
神戸製鋼所鉄鋼製品、機械鉄鋼市場で約5%
いすゞトラック、バストラック市場で約6%
スズキ小型車、二輪車小型車市場で約10%、インド市場で50%
ファーストリテイリング (ユニクロ)衣料品衣料品市場で約5%
凸版印刷印刷物、電子部品印刷市場で約10%
オリンパス医療機器、カメラ医療機器市場で約10%
これらのトレンドから、日本製造業の今後の成長は、多国籍な生産体制の構築と新興市場の開拓にかかっていることが明らかです。さらに、利益率の高い企業は、引き続き効率的な生産と強力なブランド力を武器に、グローバル市場での競争力を維持していくでしょう。

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