ソーシャル・コマースが盛んになり、私たちが知っているソーシャル・メディアは激変しつつある。かつては高校時代の友人を増やすためのチャンネルに過ぎなかったソーシャルメディア・プラットフォームは、今や賑やかなマーケットプレイスとなっている。2027年までに世界の4分の3の人口がソーシャルメディアを使用するようになると推定されている。
以前取り上げたように、ソーシャルコマース市場は、2022年には7,200億米ドルだったが、2030年には6兆米ドルを超えて急成長すると予測されており、eコマースにおける変革期を迎えている。Tiktokを代表として世界各社のソーシャルコマースの急速な成長により、世界中の消費者がソーシャルメディアとオンラインショッピングの統合がをますます加速して行っている。ソーシャルメディアが元来人々をつなぐという本来の目的を超え、世界の多くの地域で商品やサービスを売買するオンラインマーケットへと変貌を遂げたことで今後更にメーカー各社のソーシャルコマース上での展開が期待される。それではメディア各社のシェア比率はどうだろうか?
2022年の市場シェアは、アジア太平洋地域が70.3%を占めた。同地域は予測期間中、安定した成長が見込まれている。この地域の成長は主に、通信インフラへの投資の増加、インターネットとスマートフォンの普及、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどのソーシャルメディアサイトの普及といった要因によるものである。さらに、中国のような国々におけるスマートフォンやソーシャルメディアのユーザー数の増加が、この地域の市場成長に大きく貢献している。
また中国のホスティングサービスであるTikTokは、アジア太平洋地域(東南アジア諸国)でのシェアが17%と最も高い一方でアメリカのWhatsAppはソーシャルコマースにおいて、特にラテンアメリカと南アフリカで14%と、小さいながらも注目すべきシェアを占めている。
一方で北米は、2022年のソーシャルコマース市場で2番目に大きな地域として浮上した。予測期間中のCAGRは29.3%近くと大きな成長が見込まれている。
中でもフェイスブックは全地域で優勢で、特にラテンアメリカ(39%)と南アフリカ(37%)で高い。次いでインスタグラムが、ラテンアメリカ(29%)と中東(27%)で大きく躍進している。コンテンツ共有プラットフォームとしての世界的な人気にもかかわらず、YouTubeのソーシャルコマースにおけるシェアはさほど大きくないのが現状である。消費者はソーシャルメディアで安く簡単に買い物をしたい急速に進化するデジタル空間では、消費者の行動や好みがオンラインショッピングの販売方法を絶えず変え進化している。世界のソーシャルコマース市場の有力企業には、以下のような企業があり、Etsy, Inc. 、ミーショー、フェイスブック、Pinduoduo 、ピンタレスト、ポッシュマーク、Roposo、スナップ、タオバオ、TikTok、Trell、微信、小洪水などが比較的有力である。
ソーシャルメディアが元来人々をつなぐという本来の目的を超え、世界の多くの地域で商品やサービスを売買するオンラインマーケットへと変貌を遂げたことで今後更にメーカー各社のソーシャルコマース上での展開が期待される。