ウォルマート傘下のフリップカートは12月2日、ポリゴンと戦略的パートナーシップを結び、インドでWeb3とメタバース・コマースのユースケースの研究開発に取り組むブロックチェーン-eコマース・センター・オブ・エクセレンス(CoE)を設立し、Web3の導入を加速させると発表した。ゲーミフィケーションを通じてブランドロイヤリティを高めるロイヤリティ・プログラムFireDrops 2.0を開始する。今回の提携は、Flipkartがここ数年、Web3への挑戦を続けている中で実現した。今年初め、Flipkartはイノベーション部門であるFlipkart Labsを発表し、インドのeコマースシーンにイノベーションをもたらす様々なソリューションをインキュベートしている。FlipkartはこのLabsで、Web3やメタバース・コマースに進出し、NFTや仮想没入型店舗、その他のブロックチェーン関連のユースケースを模索している。
Web3はブロックチェーン技術を通じてアプリケーションの分散化を目指しており、インターネットの次のバージョンになると言われており、分散化、ブロックチェーン技術、トークンベースの経済学などの概念を取り入れ、特にNFTやデジタル・コレクタブルの領域は、ブランドが自社とユーザーのために価値を創造する新たな道を見出し、近年大きく発展している。今年10月初め、Flipkartはメタバースベースの仮想ショッピング体験「Flipverse」を開始した。Flipverseは、Flipkartが新たに立ち上げたブランド向けのNFTプラットフォーム「FireDrops」で利用可能となっており、FlipkartはFlipverseと呼ばれるメタバースを試験的に導入し、同プラットフォームのアプリからアクセスできる。Flipkart Labsを通じて、Eコマース大手は昨年からWeb3イニシアチブを試験的に導入している。ここ数年、国内ではAutify、Samudai、GlipのようなWeb3新興企業が台頭し、TCSやInfosysのようなレガシー企業もWeb3技術を使い始めている。
Flipkartの最高製品・技術責任者であるジェヤンドラン・ヴェヌゴパルJeyandran Venugopal氏は、「COEの設立により、ポリゴン社と協力し、彼らの専門知識と技術的ノウハウを活用して、Web3やメタバース・コマースの価値提案だけでなく、Web3全般のユーザーをうまく取り込むことを楽しみにしています」と述べている。またイノベーションはフリップカートの主要な柱の一つであり、我々は一貫して、新境地を開拓し、新製品や新サービスを導入するためのテクノロジー・ソリューションに取り組んできました」と、述べている。
Flipkartのプロダクト戦略担当副社長兼Flipkart Labsの責任者であるNaren Ravula氏は、「このパートナーシップは、電子商取引とブロックチェーンの世界から専門知識をもたらし、特に3Dストアフロント、斬新なNFTドロップメカニズム、商取引のためのトラストレス標準、オンチェーン・ロイヤルティ、Play-to-earnエクスペリエンスなどのブランドコラボレーションやイニシアチブを通じて、インドの分散型電子商取引のためのプロトコル、プラットフォーム、製品レベルでのイノベーションの基礎を築くものです」と述べている。
ポリゴンの共同設立者であるサンディープ・ネイルワル氏は、「ポリゴンの使命は、次の10億人のユーザーをWeb3に導くことであり、このパートナーシップは、インドおよび世界での採用と影響を促進するWeb3と体験型小売の交差点における研究開発の先駆けとなるでしょうと述べている。また「我々は、ブロックチェーン・エココマース・センター・オブ・エクセレンスを、今後数年間におけるEコマースの進化のためのエンジンとして捉えています」と語った。