急成長するトルコの Eコマース市場 TrendyolにソフトバンクGも出資

トルコのEコマース市場

ボスポラス海峡を通じてヨーロッパとアジアを結ぶトルコは、人口約7,500万人の若く活気に満ちた国である。トルコは世界第19位の経済大国であり、新興7大経済大国のひとつである。

ここ数年、トルコのオンライン小売は2桁成長を遂げている。  2021年、トルコのeコマース取扱高は79%も増加した。トルコのオンライン小売の売上は163億ドルに達した。2022年から2025年にかけて、トルコのeコマースの年平均成長率は20%を超えると言われており2025年には、市場規模は463億7000万ドルに達すると予想されている。

これを年間平均成長率で見てみると(CAGR 2023-2027)は13.6%で、2027年には311億8,500万米ドルの市場規模が予測される。2023年には26.0%の増加が見込まれ、トルコのeコマース市場は2023年の世界成長率9.6%に貢献した。

トルコのECマーケット人気ランキング

2023年6月トルコのeコマース・ショッピングサイトランキング分析trendyol.comは1位にランクインし、2023年6月にトルコで最も訪問されたeコマースサイトとなった。次いでsahibinden.comが2位、hepsiburada.comが3位にランクインしている。その他トルコで利用者が多く有名なオンラインストアは、Gitti Gidiyor、Araba.com  amazon.com.tr   lcwaikiki.com等が多く利用されておりオンラインショッピングの増加も急増している。

2021年8月トルコを拠点とするTrendyolは、新たな資金調達ラウンドで12.8億ユーロを調達した。Trendyolの企業価値は140億ユーロと評価されている。これにより、このEコマース・プラットフォームは、ヨーロッパに他国地域に30以上存在するデカコーンの1つとなり、トルコでは初となる。

また事業拡大として他地域での事業展開にも注力しおり2022年5月、トルコ本国以外で初のオフィスをベルリンに開設した。同社はまた、2023年までにアムステルダムとロンドンにオフィスを開設する事業計画を立てている。さらに、Trendyolはファッションに焦点を当て、ドイツではより多くのカテゴリーをセグメントした事業プランを計画している。

今回Trendyolの資金調達は、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2、ジェネラル・アトランティック、プリンスヴィル・キャピタル、政府系ファンドのADQ、カタール投資庁など、著名なグローバル投資家が共同で出資の参加している。尚2018~2020年にはジャックマー(馬雲)率いるアリババグループが株式の86.5%を取得していた。

ファッション産業が大きく成長するトルコ

ファッションとアパレル製品は、トルコのEコマースサイトで最大のターゲットとされている商品カテゴリーである。さらに、トルコ統計研究所と貿易省によると、トルコからのアパレル輸出は2022年1-2月に前年同期比14.71%増加した。トルコは2021年の26億8,000万米ドルに対し、2022年の最初の2ヶ月間で30億7,400万米ドル相当のアパレルを輸出している。2021年上半期におけるトルコ全体のeコマース売上高に最も貢献したのは、家庭用・小型家電と靴・履物アクセサリーの売上高であり、次いで電子機器、食品の順であった。家庭用および小型家電製品の売上高は約224億トルコリンギであり、アパレル関連の売上高は109億トルコリンギであった。

モバイルからの注文が70%を超える

またトルコにおけるイーコマース取引のうち70パーセントは携帯電話アプリからのアクセスであった。

トルコの人口がヨーロッパで最も若く人口の15%以上が15歳から24歳である。したがって、トルコの買い物客のほとんどが携帯電話を使用しておりさらに、モバイルでの買い物客の79%がウェブサイトの代わりにモバイルアプリを利用している。トルコ統計協会によると、インターネット利用者の割合は前年の79%から2021年には82.6%に達しインターネット普及率も2020年の90%から2021年には92%に上昇し、市場の需要をさらに後押ししている。

決済プロバイダーのdLocalによると、トルコのオンラインショップではクレジットカードが最も人気のある決済方法であり、決済の58%を占めている。比較すると、現金(9%)、電子財布(7%)、銀行振込(5%)はあまり普及していない。

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