アリババにヨーロッパ戦略が着々と進んでおり、今回新たにスペインで展開するマーケットプレイスの名称は「Miravia(ミラヴィア)」だ。昨年12月にECプラットフォーム「Miravia」を本格ローンチしミッドレンジとハイエンドのマーケットプレイス、をターゲットとしたこの新プロジェクトで目指すのは、現在アリエクスプレスが提供している商品との差別化だ。この動きにより、アリババはミラビアを、一流ブランドの存在とミッドレンジおよびハイエンド製品の提供する新たなプラットフォームを立ち上げた。ターゲットとなるのは、高品質の商品を求める中高所得者層である。この立ち上げは、アリババがラザダの欧州進出を後押しする計画に沿ったもので、同市場攻略のために巨額の投資を行うことになる。
Miraviaは、マーケットプレイスというコンセプトの新たな形である。このプラットフォームは、ブランド、消費者、コンテンツ・クリエイターを一つの空間で結びつけ、インフルエンサーによる独占的なコンテンツの作成と、製品をテストするためのバーチャルツールが際立っている。デジタル化の中で拡大する地元販売者とスペインブランドを支援し提供される商品は中・高級品に絞られている。ターゲットは、スペインの消費者の中でも18歳から35歳の若い層に絞っている。Miraviaは、ターゲット層にファッション、美容、ライフスタイルの最新トレンドへのアクセスを提供することを目指している。
ミラビアはすでにiOS向けアプリも提供している。その特徴としては、新規ユーザーの初回注文時に20%割引(1ヶ月間)、日替わりフラッシュオファー、限定クーポンへのアクセス、商品の初回レビュー時に3ユーロ割引、お気に入り商品の保存などがある。
スペインの電子商取引(EC)アプリのダウンロード数ランキングを見ると、トップ3は中国勢が独占し、アリババグループの越境EC「Miravia(ミラビア)」と「AliExpress(アリエクスプレス、全球速売通)」が1位と3位にランクインし、2位にはファストファッションEC「SHEIN(シーイン)」が入っている。
ミラヴィアのウェブサイトは、すでに一般消費者もアクセスできるようになっている。このマーケットプレイスでは、ミラヴィアから発送される商品は10ユーロ以上の注文で送料無料、30日間は返品無料となっている。スペイン全土にある倉庫による迅速な配送、国際的なブランドとスペインブランドのカタログなど、消費者のコストとリスクを軽減する特典を提供している点でも際立っている