Eコマースとソーシャルメディアの融合であるソーシャルコマースは、世界中の小売業者にとって大きな可能性を秘めた急成長市場となっている。2022年、ソーシャルコマースの世界売上は9920億ドルと評価され、世界のソーシャルコマース市場は2025年までに2兆ドルを超えると予測されており、2030年には6兆ドルを突破すると予測されており、これは2023年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR)31.6%で拡大する勢いとなっている。現状と今後の数値予測はEコマース市場においての大きな転換点となって来ている。
例えばTikTokやInstagramのようなソーシャルメディア・プラットフォームは、消費者がプラットフォームを離れることなく商品を購入できるようになり、小売業者にとって不可欠なツールになりつつある。現在中国のソーシャルコマースの小売売上は米国の10倍近い。昨年、中国のライブストリームショッピングで購入された商品とサービスは、なんと5,140億ドルに達した
コンテンツ・ショッピングを始めコンテンツシェア、ペイメント、メッセージ機能の融合的要素が、ここ数年のソーシャル・コマースの普及を急速に押し上げている。
ソーシャルメディアサイトへのシームレスなアクセスは、特にZ世代やミレニアル世代の衝動買いの多さと相まって、いくつかのブランドや販売業者にとって、新規顧客の獲得につながる売上増加の大きな可能性を生み出している。
世代別に見るとソーシャル・コマースはあらゆる年齢層で支持を集めており、中でもミレニアル世代には最も支持を得ており利用者も多い傾向となっている。この世代は信頼するインフルエンサーからの推薦に基づいて製品を購入する傾向がある。
顧客がソーシャルメディア・プラットフォームを通じて直接買い物をし、チェックアウトできるようにすることで、ソーシャル・コマースは不必要な追加ステップを省き、購買プロセスを合理化するのにとても役立っている。Pinterest、Snapchat、Facebook、Instagramなど、さまざまなソーシャルメディア・プラットフォームからの購入希望者の増加も、予測期間中のソシアルコマース市場の成長を促進すると予想される。
さらに、ソーシャル・コマースは、ソーシャルメディアとEコマース・サイトを融合させ加盟店やブランドに与え、それによって大きなブランディングの機会を提供している。これにより、ソーシャルメディアでのプレゼンスが向上し、日々の魅力的なコンテンツを通じて、顧客の心に残るブランド認知を生み出すことができるようになった。
ソーシャル・コマースでの商品購入やソーシャルメディア・プラットフォームの利用は、仮想環境と連携した新しい形態のショッピングにつながっているといえるであろう。